新規事業アイデアの出し方を詳しく解説 | 無料テンプレート

既存事業から新規事業アイデアの出し方
現在行っている事業から新規事業のアイデアを出す方法は以下のようなステップで進めます。
ステップ1 自社分析(VOPT分析)
自社が保有する強みを網羅的に分析します。
具体的には、バリューチェーン(Value chain)、組織能力(Organizational ability)、パートナー(partner)、技術(Technology)の項目で強みを分析します。
この工程は、各部門の代表が集まりワークショップ形式で実施することを推奨します。
バリューチェーン(Value chain)
バリューチェーンにある自社の強みをまとめます。例えば、生産管理を一元化できるシステムを自社開発し大幅な効率化を図ることができた。など各プロセスで自社が保有しているノウハウやツールなどに強みがないか検討します。
組織能力(Organizational ability)
自社の各部門における強みをまとめます。例えば、「自社の設計力には自信がある。」「販売マニュアルを絶えず各店舗で更新しており、店舗運営ノウハウ、マネジメント技術、顧客との折衝など販売員のスキルは競合には絶対に負けない」といったような組織が蓄積した知を含めた能力をまとめます。
パートナー(Partner)
パートナー企業の強みをまとめます。原料メーカーなど仕入れパートナーや販売パートナーなど様々ですが、自社がどのような協力をしてもらえそうかといった視点でパートナーの強みをまとめるとよいでしょう。
技術(Technology)
〇〇技術はどこにも負けない。というような技術をはじめ、特許を取得しているような技術も含めまとめます。
ステップ2 オプションの抽出
次に、各項目の強みを基に事業のオプション(選択肢)を洗い出します。
この工程もステップ1と同様に各部門の代表が集まりワークショップ形式での会議や新規事業のプロジェクトメンバーでのブレスト会議を推奨します。
以下に具体例を挙げます。
バリューチェーン(Value chain)
- 自社開発した物流業務に特化をした業務管理システムは汎用化しSaaSとして販売できるかもしれない
- 自社のメンテナンス力を単体で販売できるかもしれない
- 工場のラインを他社製品の製造に転用できるかもしれない
組織能力(Organizational ability)
- 自社の営業マネジメント力は他社へ販売できるかもしれない
- 自社の設計力を活かして他社へ設計業務を販売できるかもしれない
パートナー(Partner)
- A社は〇〇業界での取引が豊富なので、出口戦略として相談できそうだ
- B社の〇〇技術と組み合わせればイノベーションを生み出せる可能性がある
各項目の仮説や可能性をチームメンバーで意見を出し合います。ブレスト会議では、否定的な意見を出さず、出た意見に全て肯定的に捉えることで、その意見からさらに深堀りする議論ができます。
ステップ3 オプションの評価
洗い出したすべてのオプションから有効なオプションを絞り込むプロセスです。
評価の指標は、収益性、強みの活用度、投資対効果、市場機会の獲得、自信(勝ち目)といった「合理的な評価」と組織能力、リスク、投資規模、実行の難易度などの「実行可能性評価」と2つの評価軸で評価します。
戦略評価シートのダウンロードは下記項目を入力してご送信ください。
このように論理的に評価をすることで、担当者の主観ではなくチーム全員が腹落ちできるオプションを選択することができます。
新領域への新規事業アイデアの出し方
0から1を生み出す新規事業のアイデア出しをどのように進めればよいのか解説します。
本記事では具体的な方法をご紹介しますが、この中で自社の組織や文化などに合った方法で実践されるとよいでしょう。

1.社内公募
従業員から新規事業アイデアを公募する方法です。社内には性別、年齢、趣味趣向、生活スタイル、家族構成、価値観など様々な方がいるでしょう。この方々からアイデアを出していただくということが社内公募です。
プロジェクトメンバーが思いもつかないアイデアが出てくる可能性もあり、そのアイデアを事業化し大きな収益を上げている企業は多数あります。
2.展示会
様々な展示会へ行くことで新規事業のヒントを得たり、なぜこのサービスを開発したのか、背景や経緯も聞くことで出展社から気づきを得ることができます。自社が既存事業で展開している業界外で事業を考える場合は、業界外の知を広く集めることは不可欠です。
情報や知だけではありません。凝り固まった思考(固定観念や自身が考える常識など)をぶち破る思考が新規事業には必要なのです。業界外の知を広く知る方法として展示会へ行くことを推奨します。
3.未来予測
未来予測とは、5年後、10年後に世界、社会、我々の生活などがどうなっているかを予測することで現在はない商品やサービスを創造するモデルです。これはプロジェクトチームメンバーでブレスト会議などでアイデアをまとめるとよいでしょう。
気を付けるポイントとして、ブレスト会議の場でアイデアを出し合うとアイデアが思いつかない場合、全員が意見を出すことはできませんので、あらかじめ各自でアイデアをまとめておき、会議の場で発表するという形式をおすすめします。
この考え方は経営理論でセンスメイキングという理論で説明しておりますので詳しくは「VUCA時代にこそ必要なセンスメイキング理論とは?」をご覧ください。
4.問題・課題の裏返し
日常の生活や仕事の中で感じた問題や課題をベースに新規事業のアイデアを考えるモデルです。例えば、普段使っていない部屋があるが有効に使えないだろうかという課題を解決するサービスとしてAirbnb (エアビーアンドビー)は起業してわずかな期間でブリッツスケーリング(爆発的な成長)を遂げました。
身近な仕事のシーンでいえば経費精算業務は営業にとっても経理にとっても煩雑で大変面倒くさい業務ですが、株式会社ラクスの楽楽精算がその煩雑で面倒くさい業務を簡単にすることで解決しシェアを伸ばしております。
このような問題・課題の裏返しをベースにした新規事業の事例は枚挙にいとまがないほど毎年多くの新規事業が生まれております。このモデルを採用する場合に気を付けるべきポイントは、問題・課題に対して「なぜそうなのか?」という疑問の視点で考察することです。疑問を持つことで、「こうすればもっとよくなる」という解決方法のアイデアが生まれます。
5.生成AI
ChatGPTを始め生成AIは世界中の様々な情報を学習しさらにユーザーと会話する中で膨大な情報を学習しております。使用した方ならそのすごさは理解されているでしょう。
生成AIは新規事業のアイデア出しに活用することも可能です。この場合は、特別なプロンプト(指示を出すための命令文)は不要です。使い方としては、あなたが考える構想について問いかければよいのです。
そうすると、生成AIが返してくれます。そこからは1on1での壁打ちをします。壁打ちをすることでアイデアがブラッシュアップすることができます。
まとめ
新規事業には大きく分けて既存事業、すなわち現在自社が展開している事業から新規事業を創造する場合と、0から1を生み出すような全く新しい分野での事業を創造する場合と2通りあると解説しました。
既存事業から新規事業の可能性を見出すモデルとして有効なVOPT(バリューチェーン、組織能力、パートナー、技術)は自社の強みを活用できる可能性について整理するフレームワークです。新規事業のアイデア出しについては様々な方法がありますが、それらの方法を調べることで余計に混乱しかねないケースも多くあります。
今回は、難易度が低くすぐに実践できる方法をご紹介しましたのでまずは実践されてはいかがでしょうか。



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